日韓共鳴二千年史 ―これを読めば韓国も日本も好きになる  プロローグ

誤解だらけの日韓史

名越二荒之助先生の「日韓共鳴二千年史―これを読めば韓国も日本も好きになる」をひもときながら、日韓の未来を考えてみたい。

日本人の多くは、今の韓国、北朝鮮に良い感情はない。その国民にも同様だろう。しかし尊敬に値する朝鮮人がいないとは言えないだろう。現代韓国、北朝鮮人は、その人達に唾棄しているようなものだといえる。これから紹介する「日韓共鳴二千年史―これを読めば韓国も日本も好きになる」には日韓の二千年以上にわたる交流の歴史が歴史ドラマとして描かれてる。この交流史を紐解くことで日韓の未来が見えてくるのではないだろうか。

 

「和シテ同ゼズ」

本書の冒頭、はしがき 日韓関係に託する私の遺書―二千年の真姿を明らかにするために(日韓相互理解のセミナーから)で著者である名越先生が「第1回日韓(韓日)教育文化協議会」に臨んだくだりがある。そこで日本側の基調講演者である高橋史郎先生がヨーロッパに事例研究から共通歴史教科書作成の難しさを発表し、日韓で共通歴史教科書を作成する場合は論語にある「和シテ同ゼズ」の心構えを持って共感的理解の方向に進むべきであると提言したとある。この和シテ同ゼズこそ今後のに日韓相互理解を深めるには必要ではないだろうか。

 

高橋史朗先生の基調講演を受けて韓国側から柳裁澤博士が講演し日本の教科書研究から導き出される歪曲事例を12項目わたって指摘した。その中に明らかに事実と相違する「挺身隊」と「軍隊慰安婦」を同一視する発言に、日本側が反論をして騒然となったところで著者である名越先生に発言が廻ってきた。そこで名越先生は立ち上がって、

 

「柳先生が沢山ある日本の教科書を分析された発表に敬意を表する。私も韓国の国史教科書(中・高用)をよく読んだ。韓国は国定教科書だから一冊しかない。簡単に分析できる。私が、柳先生にならって、日本の立場から、韓国の教科書の歪曲事例を挙げ出したら、いくらでもある。しかし、内政干渉めいたことはしたくないので、今回はやらない。相互に揚げ足を取りあって、反日嫌韓感情をかきたるよりも、忘れられた美談・佳話を掘り起こそうではないか。韓国は歴史が古く、幾度も異民族の侵略受けながらも苦難を乗り越えてきた。それだけに多くの英傑や忠臣を輩出した。一度の敗戦で腰を抜かした日本として学ぶべき点が多い。私はそれをスライドにしているので、スクリーンに映しながら紹介したい」。

 

このスライドは好評だったので懇談会の席上で、「日本側(高橋・名越)の発表はユニークで我々の気づかない視点が多かった」そして「このような研究交流を是非とも継続したい」と反響をもらったと書いている。この書籍の主題を著者はこう述べている。

 

昭和五十七年の教科書事件以来日本側は韓国側の要求をのむかたちで教科書に記述を直してきた。このいう一方通行はやめて日本側も事実の歪曲を指摘してはどうか。むしろ全面的に逆襲して「歴史は相対的なこと」に気づいてもらうことが親切であり、不信感を取り除くことになる。そして日韓は二千年にわたる交流史があり、それは加害とか被害とか断定できるものではない。複雑に絡み合った歴史ドラマである。心あたたまる感動の秘話が多く、これらを事実として日韓で掘り起こしてはどうか。

 

さらに韓国の理想は弘益人間(弘く人間に益する)であって、それは「博愛的共存の哲学」と解釈されている。また韓国の国旗(太極旗)にある中央の巴は、陽(赤)と陰(青)から成る太極(宇宙)で、四隅の黒い卦は、天地日月を意味する。韓国民の宇宙の調和を理想としているのである。

 

我々はこの国柄に経緯を表するばかりではなく、韓国民の精神的聖地や歴史上の偉人・英傑に共感的理解を持ち、教訓を汲み取ろうではないか。我が日本も、和を尊び、八紘を宇とする建国の理想を持ち、多くの偉人を輩出している。相互の間に共鳴の世界が生まれないことがあろうか。

 

この共感的理解を深めることこそ日韓の未来のキーワードであり、相互共鳴の世界の構築こそ、日韓の若者に課せられた命題ではないだろうか?